「なにか飲むか?」
「え?う、うん」
「あ、牛乳しかない」
「じゃあ、いらない」
3ヶ月ぶりに訪れた大佐の自宅。
まず通されたのは比較的大きなリビングで、黒いソファとテーブル一台、他にはサイドボードが一つ。後はとりわけ何もない。
「…相変わらず、殺風景な部屋だよなあ」
「シンプルだと言ってくれ」
カラカラと氷がグラスにぶつかる音がして、大佐にグラスを手渡された。
「牛乳以外もあるんじゃん。…つか、なにこれ?」
「ん?それは君専用のグレープジュース」
そう言いながら、ワインのボトルを抜いている。
以前より度々この部屋を訪れる機会は多いのだが、こんな風にたわいの話をしながら寛ぐようになったのは、実は結構最近のことだったりする。
このリビングの奥は、ムダにでっかいベッドが一つ、どんと置かれた大佐の寝室に繋がっている。
初めの頃はいつだって速攻ヤリ部屋に連行されて、なにがなんだかわからぬうちに朝を迎えていた。
あの頃に比べれば、俺専用のジュースが置かれているくらいには、大佐に可愛がられているのだと、少しは自惚れてもいいのだろうか。
「…なんだ?」
「んにゃ、別に?」
俺の視線に気がついたのか、大佐がふいに顔をあげた。
「飲むか?」
ワインのボトルを軽く掲げて、面白そうに笑っている。
「くれんの?」
「そうだな。一口くらいなら」
そう言って、大佐の唇が俺の上に降りてくる。
口移しで与えられたそれで、俺は初めてワインの味を知った。
「…ぬるい」
「そうだろうな」
そしてそのまま、互いの舌を絡め合う。
***
大佐のベッドはやたらとスプリングが利いていて、僅かな震動でも弾むように身体が跳ねる。
ベッドサイドに伏せられた、写真立てが視界の隅で揺れている。
部屋に入るとすぐに大佐の手で伏せられる、写真立てのその中身。
以前、大佐が眠ってしまったその後で、こっそり覗いたことがある。
今よりも幾分若い、ヒューズ中佐と大佐が二人、肩を組んで笑っていた。
中佐はいつも誰より大佐の側にいた。
そして今でも誰より近く大佐の側で、以前と同じに微笑んでいる。
嫉妬しているわけじゃない。
繋がり方も、その絆も、全てが比べられるものではないと知っている。
もとより、想うカタチが違う。
それでも見ずにおけばよかったと、ほんの少しの後悔を。
「今日は、随分と余裕があるじゃないか」
「な…に…」
「気を散らすなよ」
「やッ…、た…さ…!」
バカじゃねえのか。余裕なんてあるわけねえだろ。
俺なんか相当前から、イッパイイッパイだっつーの。
「ちょ…、待って。待って、大佐…っ…」
「聞かない」
あるわけねえだろ、余裕だなんて。
俺はいつでもアンタのことで、精一杯で。
届かない心の声が悲鳴のような喘ぎ声へと形を変えて、せめてもの仕返しと、激しさを増した男の動きに合わせるように、自ら進んで腰を揺らした。
繋がり方も、その絆も、すべてが比べられるものではないと知っていた。
もとより、想うカタチが違っている。愛のカタチが違っている。
そして俺は、彼とこうして繋がる以外、愛のカタチを他に知らない。
「ふあ…あっ、ああっ…!」
「…っ!」
知りうるカタチで男と深く繋がった、身体の奥で熱い飛沫が弾けて飛んだ。
心の奥で澱のように固まった、全ての想いを浚い散らしていくように。
***
ビクリと大きく身体が揺れて、ベッドがギシリと悲鳴を上げる。
ベッドが揺れた震動で、伏せられた写真立てがコトリと静かに音を鳴らした。
ロイエド『愛のカタチ』
「え?う、うん」
「あ、牛乳しかない」
「じゃあ、いらない」
3ヶ月ぶりに訪れた大佐の自宅。
まず通されたのは比較的大きなリビングで、黒いソファとテーブル一台、他にはサイドボードが一つ。後はとりわけ何もない。
「…相変わらず、殺風景な部屋だよなあ」
「シンプルだと言ってくれ」
カラカラと氷がグラスにぶつかる音がして、大佐にグラスを手渡された。
「牛乳以外もあるんじゃん。…つか、なにこれ?」
「ん?それは君専用のグレープジュース」
そう言いながら、ワインのボトルを抜いている。
以前より度々この部屋を訪れる機会は多いのだが、こんな風にたわいの話をしながら寛ぐようになったのは、実は結構最近のことだったりする。
このリビングの奥は、ムダにでっかいベッドが一つ、どんと置かれた大佐の寝室に繋がっている。
初めの頃はいつだって速攻ヤリ部屋に連行されて、なにがなんだかわからぬうちに朝を迎えていた。
あの頃に比べれば、俺専用のジュースが置かれているくらいには、大佐に可愛がられているのだと、少しは自惚れてもいいのだろうか。
「…なんだ?」
「んにゃ、別に?」
俺の視線に気がついたのか、大佐がふいに顔をあげた。
「飲むか?」
ワインのボトルを軽く掲げて、面白そうに笑っている。
「くれんの?」
「そうだな。一口くらいなら」
そう言って、大佐の唇が俺の上に降りてくる。
口移しで与えられたそれで、俺は初めてワインの味を知った。
「…ぬるい」
「そうだろうな」
そしてそのまま、互いの舌を絡め合う。
***
大佐のベッドはやたらとスプリングが利いていて、僅かな震動でも弾むように身体が跳ねる。
ベッドサイドに伏せられた、写真立てが視界の隅で揺れている。
部屋に入るとすぐに大佐の手で伏せられる、写真立てのその中身。
以前、大佐が眠ってしまったその後で、こっそり覗いたことがある。
今よりも幾分若い、ヒューズ中佐と大佐が二人、肩を組んで笑っていた。
中佐はいつも誰より大佐の側にいた。
そして今でも誰より近く大佐の側で、以前と同じに微笑んでいる。
嫉妬しているわけじゃない。
繋がり方も、その絆も、全てが比べられるものではないと知っている。
もとより、想うカタチが違う。
それでも見ずにおけばよかったと、ほんの少しの後悔を。
「今日は、随分と余裕があるじゃないか」
「な…に…」
「気を散らすなよ」
「やッ…、た…さ…!」
バカじゃねえのか。余裕なんてあるわけねえだろ。
俺なんか相当前から、イッパイイッパイだっつーの。
「ちょ…、待って。待って、大佐…っ…」
「聞かない」
あるわけねえだろ、余裕だなんて。
俺はいつでもアンタのことで、精一杯で。
届かない心の声が悲鳴のような喘ぎ声へと形を変えて、せめてもの仕返しと、激しさを増した男の動きに合わせるように、自ら進んで腰を揺らした。
繋がり方も、その絆も、すべてが比べられるものではないと知っていた。
もとより、想うカタチが違っている。愛のカタチが違っている。
そして俺は、彼とこうして繋がる以外、愛のカタチを他に知らない。
「ふあ…あっ、ああっ…!」
「…っ!」
知りうるカタチで男と深く繋がった、身体の奥で熱い飛沫が弾けて飛んだ。
心の奥で澱のように固まった、全ての想いを浚い散らしていくように。
***
ビクリと大きく身体が揺れて、ベッドがギシリと悲鳴を上げる。
ベッドが揺れた震動で、伏せられた写真立てがコトリと静かに音を鳴らした。
ロイエド『愛のカタチ』
はじめまして、こんにちは。タカミヤと申します。
以前、同ジャンル同カプにて別のサイトを運営しておりまして、更新できねえ、暇がねえの二重苦にて、8月末にて一旦そちらのサイトにピリオドを打ったのですが、所詮、オタクはオタクだったというか、どうにもロイとエドが恋しくてたまらんかったというか、たかだか三ヶ月、舌の根も乾かぬうちに、再びとサイトを開設してしまいました・・・。
続けるべきか否かを悩んだ、あの1年あまりの時間は一体なんだったのか、と。
もしかしたら以前のサイトをご存知かもしれない方には、まったくもって面目の次第もございません。
・サイトにつきまして。
「Forsythia」は個人趣味的二次創作文サイトです。
主に(というより、すべて)『鋼の錬金術師』ロイエド中心小話で構成されております。
SIde:A・・・ロイエド中心小話。(原作アニメ映画ベース、パラレル他にて、とりとめもなく)
Side:B・・・ロイエド子小話。(雨をテーマにまったりと)
(現時点で公開している小話群は、すべて、Side:A「さよならワルツ」、Side:B「Rainy Lazy Slowly」という、以前、私が運営していたサイトのログです)
その時々のモエに忠実かつ適当に書き散らかしていく小話サイトです。
更新は亀が如き歩みになろうかと存じます。
まったりのんびり運営してまいりたいと思っておりますので、お暇な時にでもお付き合いいただければ幸いだと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
以前、同ジャンル同カプにて別のサイトを運営しておりまして、更新できねえ、暇がねえの二重苦にて、8月末にて一旦そちらのサイトにピリオドを打ったのですが、所詮、オタクはオタクだったというか、どうにもロイとエドが恋しくてたまらんかったというか、たかだか三ヶ月、舌の根も乾かぬうちに、再びとサイトを開設してしまいました・・・。
続けるべきか否かを悩んだ、あの1年あまりの時間は一体なんだったのか、と。
もしかしたら以前のサイトをご存知かもしれない方には、まったくもって面目の次第もございません。
・サイトにつきまして。
「Forsythia」は個人趣味的二次創作文サイトです。
主に(というより、すべて)『鋼の錬金術師』ロイエド中心小話で構成されております。
SIde:A・・・ロイエド中心小話。(原作アニメ映画ベース、パラレル他にて、とりとめもなく)
Side:B・・・ロイエド子小話。(雨をテーマにまったりと)
(現時点で公開している小話群は、すべて、Side:A「さよならワルツ」、Side:B「Rainy Lazy Slowly」という、以前、私が運営していたサイトのログです)
その時々のモエに忠実かつ適当に書き散らかしていく小話サイトです。
更新は亀が如き歩みになろうかと存じます。
まったりのんびり運営してまいりたいと思っておりますので、お暇な時にでもお付き合いいただければ幸いだと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
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